泥沼から救われた。
まぎれもなく、今の彼の出現で。
助かった。
彼の、してくれること、したいこと
私への想い、すべてを感じるたびに
少し前の、自分と重なってしまう。
竹内まりあの「駅」
歌詞をなぞっているみたい。
私だけ愛していた。
切ない。
あの人のことはもうそれほど、思わないし
終わったこととしてとらえることが
できるようになった。
でも、後遺症は残っている。
これを学びだとするなら。
どうとらえたらいいのだろう。
彼があの時の私だとして
私が感じたような悲しいことは
彼には感じさせてはいけない。
愛してくれた質を同じ質で返す。
非日常を楽しむ恋愛ごっことすれば
とても楽しいし、毎日の彩ではある。
でも。愛してはいない。
あの人を想っていたほどの感情はどこにもない。
でも。大好きなフリはする。
楽だ。とても。
あの頃のあのメラメラするような
経験したことのない激しい想いなど
もう、いらない。つらい。しんどい。
これぐらいが心地よい。
彼が時々、かわいそうになってくる。
あの時の私に見えて。