ぐっすり寝た日

初めてのホテル。

ピンと張ったしかしふんわりとしたベッド。

一人で泊まるのにベッドが二つというのは

たまにあるけど、いつも

新鮮さと贅沢さを感じてしまう。

 

朝も昼もたくさん食べてしまってあまり

お腹も空いてない。

夕食は買ってきたパンをさっと食べ、

 

大きいお風呂に浸かって

持っていったハーブティーを飲む。

 

時間はまだ早い。

ああ、なんて幸せなんだろう。

とても静か。

 

サッカーの試合を見ていて、寝不足だったせいか

急に眠気が来て、早々に寝てしまった。

 

朝早くに何回か目が覚めた。

ぐっすりと眠ったせいか、目がスッキリしている。

 

フロントまで朝食のテイクアウトを取りに行く。

 

可愛らしいBOXを受け取り、思わず

わぁ、、、と、心の声が出そうになる。

私はどんな高級な和食より、洋食が好き。

 

コーヒーを入れて、部屋に戻る。

 

一人の空間で熱々のコーヒー。

朝は、コーヒーから始めるのがルーティン。

 

少し早めにチェックアウトして、今日の目的の

夢二館へ向かう。

 

温泉地にあるそこで、ゆっくり好きなものを堪能して、次はここの温泉地で泊まりたいと思える

情緒あるところだった。

 

夢二は、とてもセンチメンタルな気持ちになる。

 

待てど暮らせどこぬ人を宵待草のやるせなさ。

今宵は月も出ぬそうな。

 

私はそんな女にはなりたくない。

私は待つことが出来ないし、自分から欲しいものは取りに行く女なのだ。

私を待たせるような男なんか、いらない。

 

途中、来期、抜擢された新しい仕事の打ち合わせの電話が入って、急にソワソワ。

私を引き上げてくれた人を、がっかりさせないように、頑張らないといけない。

 

長い車の運転の途中、そんなことを思いながら

幸せな日だと、感じながら

 

よく寝た日ももうすぐ終わる。