豊かな時間

料理をしなくなって3年はたつ。
息子が高校を卒業して
家を出てから、私は全く料理をしなくなった。

決して嫌いな訳じゃない。
食べることにソンナニ興味がないから
自分が食べるためのものは、そのときに食べたいものならなんでもいい。

高校の3年間は毎日お弁当を作っていた。

どんなお弁当が喜ぶか、それだけを考えて
けっこう楽しんで毎日作っていた。

この前、急に卵焼きが食べたくなって、
自分のためにお弁当を作ってみた。

といっても卵焼きと、ご飯の上に塩昆布をのせるだけの
簡単なお弁当。
塩昆布が乗っかった白ご飯と、卵焼きだけが
無性に食べたい物だったからだ。

塩分を欲しているのだろう。

今日、仕事から帰ってきて、いつものようにサラダと簡単な物をお腹いっぱい食べて
テレビを見てうとうとして
お風呂に入ったら、また、無性に卵焼きが食べたくなった。

顔にパックを張り付け、お米を洗って
朝、6時にセットし
卵焼きを焼き、冷蔵庫に入っているかまぼこを焼いて
冷凍ブロッコリーを冷凍室から出した。
明日の朝、炊き上がったご飯の上に塩昆布をのせたら明日のお弁当はそれで出来上がり。

ついでに母の分もつくった。

たったそれだけのお弁当なのに
なんだかとても、嬉しい気持ちになった。

なぜだろう。